アニリンの合成

 

 

目的

ニトロベンゼンからアニリンを生成することを目的とした。

 

実験日

平成18年 9月4日

 

理論

ニトロベンゼンをスズと塩酸で還元する。反応後、水酸化ナトリウムを加えて、中和して、アニリンを遊離させる。

ニトロベンゼンをスズと塩酸で還元させると次のような反応が起こる。

 

Sn + 4 HCl → SnCl4 + 4 H+ + 4 e < 1 – 1 >

 

 

これら < 1 – 1 >、< 1 – 2 > の2式から

 

 

となり、過剰に塩酸を加えているため、生成物はアニリンではなく、アニリン塩酸塩である。よって、

となる。

 

反応後の水溶液中にはアニリン塩酸塩および、塩化スズが一緒に溶けている。ここへ水酸化ナトリウムを加えると、以下に示す反応が起こる。

 

1.      未反応の塩酸が中和され、続いて塩化スズが中和され白色沈殿が生成する。

Sn4 + 4 OH → Sn(OH)4  < 2 – 1 >

  

2.      水酸化スズは両性水酸化物で過剰の NaOH 水溶液にはヒドロキソ錯イオンを生じて溶ける。

Sn(OH)4 + 2 NaOH → Na2[Sn(OH)6]  < 2 - 2 >

         

3.      続いてNaOH水溶液を加えると、アニリン塩酸塩からアニリンが遊離され、乳濁液の状態となる。

       

実験器具

試験管、ビーカー、三脚、金網、ブンゼンバーナー、温度計、三角フラスコ、スポイト、蒸発皿

 

試薬

ニトロベンゼン、スズ、濃塩酸、ジエチルエーテル、水酸化ナトリウム

 

実験操作

1.      試験管にニトロベンゼンを 1 ml とり、これにスズ 3 g と濃塩酸 5 ml を加えて、約 60 ℃ の湯でおだやかに加熱した。

2.  ニトロベンゼンの油滴が消えたら、生成物を三角フラスコに移し、これに水酸化ナトリウム水溶液を一度生じた白色沈殿が溶けて、乳濁液になるまで加えた。

3.  冷却後、ジエチルエーテルを加えて振り混ぜて、アニリンをジエチルエーテルに溶かした。

4.  しばらく静置して2層に分かれたら、上部のエーテル層だけをスポイトで蒸発皿にとり、蒸発させた。

 

結果

NaOHを加えたとき乳濁液が確認でき、ジエチルエーテルを加えたときには2層に分離できたのが目で確認できた。蒸発で生じた沈殿にさらし粉を加えると紫色に変化した。

 

考察

ジエチルエーテルを加えたとき、エーテル層にはアニリンが含まれており、蒸発させ、さらし粉を加えると紫色になったことから、アニリンの存在が確認できたと考えられる。

 

参考文献

理解しやすい化学T・U  分英堂出版  P 256 ~ 259

 

2006年 夏休み自由研究レポート集に戻る