<注意:デルタΔについて>
ΔG、ΔH、ΔSは天然状態と変性状態のそれぞれの熱力学的パラメータの差であるので、

ΔG=HN-HD (変性状態から見たときの天然状態との差)
でも、
ΔG=HD−HN (天然状態から見たときの変性状態との差)
でも、
符号は逆だが絶対値は同じである。

多くの教科書ではΔG=HD-HNつまり変性状態の安定性をみているものが多い。
これは色々な状態がある変性状態を基準にするよりも
天然状態を基準にしたほうがしっくりくるからだろうか・・・。
慣れてくるとあまり気にならないが、習い始めのうちは大混乱の元になる。

本授業では皆さんがこれまで学んできた「ΔG<0なら安定」というイメージが混乱するのを避けるため、
「天然状態が安定に存在するときはΔG<0」になるように
変性状態から見た天然状態の安定性について説明している。

参考書などを見て「あれっ?逆だなぁ?」と思ったら、それはΔの定義が逆なのです。

差は表裏一体です。
GN<GDの時、
GNから見ればGDは大きい(ΔG>0)ですが、
GDから見ればGNは小さい(ΔG<0)です。
この場合、
「変性状態と比べて天然状態は安定」とも言えますし、
「天然状態と比べて変性状態は不安定」とも言えます。
どちらも同じ意味です。

あたまをやわらかくしてものごとを上から下から考えられるようになりましょう!