Ka: 水中、25℃においてイオン化するときのイオン化定数(=解離定数) (イオンへの成り易さの指標)
☆Asp の場合
側鎖の解離部分は下記のように平衡になっている。
○pHがpKaよりも小さい場合(酸性側)
H+が多いので平衡は左にシフトする。
(反応速度は濃度に比例するため、左向きの反応が速くなるから。参照:反応物理化学”平衡”)
そのため、Asp側鎖の解離部分は”-COOH”になる。
○pHがpKaよりも大きい場合(アルカリ性側)
H+が少ないので平衡は右にシフトする。
(反応速度は濃度に比例するため、左向きの反応が遅くなり、相対的に右向きへの反応が優位になるから。)
そのため、Asp側鎖の解離部分は”-COO-”になる。
このように、pHに溶液のpHに対するアミノ酸の電気的状態の違いが蛋白質の構造に大きく影響する。
(例:ミオグロビンの中性と酸性での荷電状態)
参考文献
Dawson et al., Data for biochemical research. (1969)
Bundi A, Biopolymers 18, 285-297 (1979)
ln Ka = 2.303log Ka = -2.303pKa
ΔG = 2.303RTpKa
ΔG=ΔH−TΔS