○エンタルピーとエントロピーの温度依存性(前頁参照)
ΔCp:天然状態と変性状態の比熱差
Tm:変性中点温度(変性が半分進んだ温度。ΔG=0の温度。変性状態と天然状態のモル比が等しい温度。)
T:ある温度
○自由エネルギー変化の温度依存性
したがって
☆DSC(示差走査熱量計)を用いて熱変性を測定すると、
ΔHm、ΔCp、Tmを実験的に直接得ることができる。
熱量計で得られたΔHmはΔHcalと表されたりもし、下記のΔHVHと区別される。
☆CDなどの分光学的手段を用いて熱変性を測定すると、
ΔHm、ΔCp、Tmをフィッティングによって間接的に得ることができる。(式の例)
得られた値の真偽に関しては可逆性などを十分に検証する必要がある。
フィッティングによって得られたエンタルピーはファントフォッフのエンタルピーΔHVHと呼ばれる。
ΔHcalとΔHVHの比が1の場合はその変性過程が二状態転移として考えられる。
ΔHcal/ΔHVH>1の場合は中間体の存在が、
ΔHcal/ΔHVH<1の場合は複合体の存在が示唆される。