(Root mean square speed)
分子はX軸やY軸やZ軸に対して平行に移動している訳ではない。
したがって、右図のような斜めに移動している場合の速度は、
X軸、Y軸、Z軸、それぞれの向きに対する速度を用いて表す。
右図のCは下式で表される(数学のピタゴラスの定理です)。
分子の運動の方向はX軸もY軸もZ軸も全て確率的には等しい(等方的)ので
となります。
したがって、”衝突理論-分子の速度-”のセッションで学んだ圧力と速度の関係式
は
と表されます。
気体の状態方程式の関係を用いると
R : 気体定数 8.314 (J/K・mol) 分子一モルに対する気体定数
L : アボガドロ数 6.0221×1023 (/mol) 分子一モルの分子数
k : ボルツマン定数 1.30807×10-23 (J/K) 分子一個に対する気体定数 (R=kL)
なので
したがって、平均二乗速度C2は
となる。
分子と分母にアボガドロ数(L)をかけると
M : 分子量
と表される。
このように、平均二乗速度C2は
・温度に比例
・分子量に反比例
する。
温度依存性 | 分子量依存性 |
![]() |
![]() |
温度が高いほど速い (水素の方が軽いので速い) |
重いほど遅い |
分子一個あたりが持つ運動エネルギーは
であり、分子一モルあたりに換算すると
となり、分子量は関係なく、温度にのみ依存することが分かる。