研究

研究内容

無機化学では扱う原子の種類が多く、物質の構造設計に無限の可能性を追求することができます。世の中の役に立つ新機能を持った無機化合物を合成し、その本質を先端的な計測・解析手法によって解明する研究を行っています。

主な研究成果

量子結晶学による電子軌道の直接可視化の研究

放射光単結晶X線回折実験によるボルボサイト(Cu3V2O7(OH)2・2H2O)の電荷密度解析により、3d軌道上の価電子が占有するdx2-y2の軌道フリッピング現象を直接可視化することに成功しました。本研究では、放射光による精密な構造解析に基づき、価電子を占有する軌道を直接的に理解できることを実証しました。今後は、物質の構造と機能の相関を解明する上で、重要な役割を果たすことが期待されます。(名古屋大学・澤教授との共同研究)

配位高分子による自己組織化制御の研究

ジチオレートニッケル錯体をテンプレートとした新奇な8員環 Cu4I4クラウンモチーフの構築に成功するだけでなく、対カチオンを選択することにより、この分子をユニットとした配位高分子の次元性を制御できることを見出しました。構造決定を行ったこれらの配位高分子のユニット内の柔軟なCu4I4クラウンモチーフは、静電的相互作用を通じて様々な大きさの原子や分子を捕らえることが示唆され、有用な分子吸着剤としての機能が期待されます。

研究室&装置

無機化学研究室は、22号館4階のC棟にあります。学生が合成やデータ解析を行う部屋だけでなく、物質のキャラクタリゼーションに必要な装置(紫外可視分光光度計(UV-vis.)、赤外分光装置(IR)、熱重量・示差熱同時測定装置(TG-DTA)など)が設置されています。

リンク

近畿大学

参画中の研究プロジェクト

関連研究機関

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