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松本研・大久保研の化学コース内の共同研究「非フラーレンアクセプターを用いた有機薄膜太陽電池に関する研究」がEur. J. Org. Chem.に掲載決定となりました。

2021.06.30

  • 研究

松本研(有機合成化学研究室)山下和大 修士(2021年3月修了)、大久保研(錯体化学研究室)佐古田祐綺 学士(修士1年)らの化学コース内の共同研究「非フラーレンアクセプターを用いた有機薄膜太陽電池に関する研究」がEur. J. Org. Chem.(Impact Factor : 2.889)のFull Paperに掲載決定となりました。

有機薄膜太陽電池の非フラーレンアクセプターとして図のようなベンゾトリチオフェン骨格を有するドナー・アクセプター型の分子の設計を行い、多段階におよぶ合成と有機薄膜太陽電池としての評価を行いました。合成した分子は、バルクヘテロ構造の有機薄膜太陽電池において、非フラーレンアクセプターとして作用することを明らかにするとともに、P3HT・PCBM系の発電層に対する第3の添加剤として用いることで、飛躍的に発電効率が増加する現象も発見しました。

分子のデザイン、合成、そして太陽電池としての評価まで3年間の試行錯誤の末の成果となりました。本研究は松本研・大久保研のバルクヘテロ型の密接な研究体制と関わった学生の頑張りにより生まれました。

化学コースでは引き続き、SDGsに貢献する有機薄膜太陽電池の共同研究を強力に推進していきます。
HP0629のコピー.jpg論文 Eur. J. Org. Chem.
タイトル「Organic Thin-film Solar Cells Using Benzotrithiophene Derivatives Bearing Acceptor Units as Non-fullerene Acceptors」
著者 Kouichi Matsumoto,* Kazuhiro Yamashita, Yuuki Sakoda, Hinata Ezoe, Yuki Tanaka, Tatsuya Okazaki, Misaki Ohkita, Senku Tanaka, Yuki Aoki, Daisuke Kiriya, Shigenori Kashimura, Masahiko Maekawa, Takayoshi Kuroda-Sowa, Takashi Okubo*
DOI 10.1002/ejoc.202100178